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2022.08.09

ビジネスインタビュー:自分年表03「最悪の想定の上にポジティブが成り立っているイメージ」

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Re:Inkビジネスカテゴリー第2回に登場していただいているのは、IT企業のスパークジャパン株式会社の創業者で代表取締役社長の岡田憲明(おかだのりあき)さん。特に濃い時間を過ごしたという19歳~23歳をフューチャーし、3回に分けて岡田社長の職業観や人生観を紹介しています。前編では生い立ちや商売への考え方、中編ではスパークジャパン株式会社の立ち上げストーリーを扱いました。最終回となる今回は、物事への向き合い方や思考回路などを披露しています。

―――スパークジャパン株式会社は創業25周年を迎えます。今後、力をいれていきたい事業はありますか。

岡田社長)一つ力をいれていきたいと考えているのはマーケティングですかね。宮崎っていいモノをつくっているところはたくさんありますが、それをお客さんに伝えるという点が苦手な面が多いのかなとも感じています。僕たちは宮崎市のふるさと納税運営業務を担っておりますが、僕たちが関わる前は年間の寄付額が4億円ぐらいでした。しかし、僕らが関わり始めて昨年は26億円になり、今年はそれを上回るペースになっています。そこには僕らなりのマーケティングのノウハウを注ぎ込んでいるんです。地方が元気になることが大事だと考えているので、地方企業の発展に尽力するためにマーケティング事業は頑張りたいなと思っています。

―――宮崎への思いが強いですね。

岡田社長)一番思っていることは、僕と同じように、このまちに生まれてよかったと思える人たちを増やしていきたいと考えています。そのために僕はIT産業にいますから、ITを駆使して宮崎を元気にしていきたい。たとえば建設業だったり、農業だったり、そういった各現場でITの知識を持った人が増えれば、もっといろんな革命が起こり宮崎が活性していくと思うんです。だから、一般教養と職業観とIT技術を一体にさせたような教育を行い、そういった知識を持つ若者を育てていきたいと思っています。

―――今回、岡田社長の人生に触れて、決して成功ばかりではなかったのかなと感じました。挫折はなかったんですか。

岡田社長)基本的にポジティブシンキングなんです。「過去のすべての経験に感謝し、自分が描く未来をあきらめず創造し続ける」と考えるタイプなんです。僕は家庭環境の影響もあり、自然と反骨精神を持つようになりましたし、行動力や積極性も身に付いたと思います。ただ、どんなときでも最悪は想定しています。最低の状況になったらどうなるのか、どういう気持ちになるのかと一回シミュレーションしとく。例えば「死にはしないな」「会社はつぶれないな」「友達は失わないな」「家族は大丈夫だろうな」とか論理的に考えているわけではないですが、最悪の想定をした上にポジティブが成り立っているイメージです。するとポジティブがもっと活きてくるんです。

―――最後にポジティブシンキングで人生を切り開いてきた岡田社長に問います。ポジティブシンキングは必要だと考えますか。

岡田社長)とても必要だと思います。でもそれって、なろうと思ってなれるものではないのかもとも思っています。生まれ育った環境などはあったと思いますが、僕もなぜこの思考になったのかは、明確には言えません。きっかけは人によってさまざまだと思いますし、なれない人もいるかもしれません。ただ一つ言えるのは、欲しいモノ、行きたい道がある人はネガティブな部分があっても、いつかはそこにたどり着くんじゃないかと考えています。もしかすると、そっちの方が大事かもしれません。目標・目的意識があれば、そこに向かって準備していけばいいだけですから。

文:小野友貴人 写真:田部祐徳

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岡田憲明

宮崎市出身。宮崎大学附属小ー宮崎大学附属中ー宮崎大宮高ー宮崎大学工学部電気電子工学科卒。大学2年次に車検代行業を始め、翌年の大学3年次には中古車販売業「オカダオート」を開業。2年足らずで閉鎖となるも、大学の研究室で出会ったコンピューターやインターネットに魅了されて猛勉強し、23歳でIT企業「スパークジャパン」を創業。同社は2001年に株式会社化され、2016年の宮崎県成長期待企業、2017年の経済産業省地域未来けん引企業に認定されるなど着実に成長を続ける。趣味はゴルフ。体を動かすことが大好きで、野球、サーフィン、トライアスロンなどあらゆるスポーツに触れてきた。最近は小学生の長男の影響で剣道にはまり、初段も取得。48歳。

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